お灸って本当に効くの? 科学が今わかっていること
- 瑠璃鍼灸院
- 2 日前
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日本人の生活に古くから根付いている「お灸」。
「体がポカポカして楽になった」「冷えがマシになった」といった声は今も絶えないけど、
「プラセボ(思い込み)効果じゃないの?」という疑問も根強い。
実際、最近のメタアナリシス(複数の臨床試験をまとめた大規模解析)では、何がわかってきているのでしょうか?
1. エビデンスが最も強い領域:逆子(骨盤位)の矯正
お灸の効果で世界的に一番認められているのが、妊娠後期の逆子を頭位に戻すこと。
至陰(BL67:足の小指の外側)のツボにお灸をすることで、胎児の回転を促す効果が確認されています。
• 2021年のシステマティックレビュー&メタアナリシス(アジア圏中心):灸治療群で逆子矯正率が有意に向上。
• 最近のレビュー(MDPI 2021更新版など):moxibustion単独で頭位出生率が1.39倍(95% CI 1.21–1.58)と有意。アジア人ではさらに効果が高い傾向。
• Cochraneレビューでも中程度の確実性で支持されており、多くの産婦人科で補助療法として推奨されています。
妊娠32〜35週頃に毎日数回行うのが一般的で、安全性も高いのがポイントです。
2. 慢性痛への効果:膝関節症と腰痛を中心に
膝の変形性膝関節症(KOA)や慢性腰痛(CLBP)に対する研究が特に多いです。
• 膝関節症
複数のメタアナリシス(例:Journal of Acupuncture Researchなど)で、moxibustion(特に温灸や火針灸)がVAS痛みスコアやWOMAC機能を有意に改善。
通常の鍼や薬より優位な報告も多数ですが、研究の質にばらつきあり(GRADE:中〜低)。
• 慢性腰痛
NCCIH(アメリカ国立補完統合衛生センター)も「お灸・鍼が腰痛に一定の効果あり」と認めています。
メタアナリシスではVASスコア低下、生活の質向上を示す結果が多く、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と同程度の鎮痛効果という報告も。
短期的な痛み軽減に特に役立つ補完療法として位置づけられています。
3. その他の期待される領域
• 生理痛:メタアナリシスで痛み軽減効果が報告。
• がん治療の副作用:吐き気・疲労軽減の補助として一部有効性示唆。
• 免疫・血行促進:温熱刺激による局所血流増加(サーモグラフィーで確認)、エンドルフィン放出、自律神経調整がメカニズムとして支持されています。
4. 安全性と限界
重篤な副作用は稀で、主に軽いやけどや皮膚刺激、煙による不快感。
無煙タイプやシール灸を使えばリスクはかなり低いです。
ただし、エビデンスの質はまだ「高」と呼べるほどではなく、プラセボ効果の影響も指摘されています。
万能ではなく、「補助的に体を温め、痛みや冷えを和らげる自然療法」くらいの位置づけです。
まとめ:お灸は「使える場面」が確実にある補完療法
科学的な結論を一言で:
「逆子矯正、慢性膝・腰痛などの短期症状緩和に一定のエビデンスがある補完・代替療法」
多くの人が実感する「温かさが心地よく、体が軽くなる」感覚は、血流改善や神経刺激によるものが大きいようです。
自分で試すなら、安全なせんねん灸や貼るお灸からスタート!
足三里、三陰交、至陰あたりが初心者おすすめツボです。
本格的にお灸をしてみたいと思ったら是非、ご相談ください!

