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  • 執筆者の写真: 瑠璃鍼灸院
    瑠璃鍼灸院
  • 2021年8月22日
  • 読了時間: 3分

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はい、そんなわけで今回は東洋医学における「肺」についてです。

解剖学では、空気中の酸素を取り込み二酸化炭素を排出することが主な働きです。

東洋医学では「気を主り、心を扶けて臓腑や器官の働きを調節働き」があります。

肺の性質のキーワードは

収斂・気を蔵す・魄を舎す・水を巡らせる・相傅の官

そして支配部位は

鼻・皮毛・声

味覚は「辛」


収斂は「発散」の逆の働きで「集め、引き締めること、収縮する・させること」そして容し滑らかにする意味合いも含まれます。

気を蔵す:肺は鼻から入った天の気を収める役割があります。

魄を舎す:魄は肉体を形作る精気で肺はこれも蔵しています。肺気が虚すると魄も不足し体つきが細く弱弱しくなります。

水を巡らせる:肺の気は全身に気を巡らせ皮膚の呼吸の調節や脾で吸収された水を膀胱に送る道すがら五臓など各器官に万遍なくいきわたらせる役割があります。

相傅の官:相傅は何かを助けるという意味。五行では「心」に火(陽気)があるがそれだけでは全身に循環させることができない。そこで肺の助けを得て全身に送るよ、ということになります。


支配部位

鼻:気は鼻から入り肺に貯蔵されることから肺の精気は鼻に通じている。

肺の気が虚すると、鼻づまり・においの嗅ぎわけがしにくくなる・呼吸の乱れが生じる。

皮毛:皮毛は体表にあって身体を包んでいる。肺の気は陽気の作用により外部からの邪から身を守っている。また消化管や膀胱・子宮の内側とも関係している。

肺が虚するとその部分も冷えや熱が停滞することがある。

声:肺に気が十分にあれば力強い発声ができる。

辛味:肺は収斂と仲良し。ただ収斂だけ機能してしまうと「気を体に巡らせる」という機能がうまく作用しない。なので辛味の持つ発散の性質を利用して循環をさらに良くしようとする。


中医学では肺の機能を「宣発・粛降・水の上源」と表現します。

宣発↑:呼吸により濁気を吐き出したり、気や津液を全身に散布し行き渡らせたり、調節したりします。

粛降↓:呼吸により清気を吸い込んだり津液を腎や膀胱に運んだり気道を清潔にします。

水の上源:脾の働きにより胃から上部に運ばれた津液を肺が給水ポンプのように全身に散布することです。


解剖学においても東洋医学においても中医学においても「肺」というものは中心ではないもののいろいろな役割で各器官の助けとなる重要な臓腑であり事がわかります。

特に気を全身に巡らせるということは重要で、体の一部に気血津液が停滞することでいろいろな体の不調が出現してしまします。


閉塞感の強いこのご時世、肺の気の循環を意識して深呼吸するだけでもだいぶ違うと思います。ウィルスが蔓延している現状、深呼吸の一つも気を付けないといけないような状態ですが体の気を巡らすことのできるようにたまには一息つきましょう。

 
 
 

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