脾
- 瑠璃鍼灸院

- 2022年11月19日
- 読了時間: 2分

生理機能は「運化を主る」「昇清」「統血を主る」でした。
脾の機能が失調すると消化・吸収・水分代謝・気血の生成(ここまでが運化)・血の固摂(統血)に影響が出ます。
加えて四肢・肌肉・唇・口とも関係があるのでこの辺りにも異常がみられます。
病の一因には「思い煩う」という感情が影響します。また外因としては「湿」が脾の働きを邪魔するといわれています。
以下は代表的な病症です。

A.脾気虚
文字通り脾の気が不足して調子が悪くなっている状態。
消化機能の失調が主症状で、多くの場合は併せて胃気虚(満腹感や食欲減退など)の症状も伴うことも多い。この二つが合わさっている状態を「脾胃虚弱」と言います。
主に飲食の不摂生・精神失調・疲労などから引き起こされます。
主訴は食欲不振・膨満感など
…運化機能の低下による気血の生成不良や消化不良でからだの「ダルさ」や「肌肉の痩せ」腸の動きが悪くなり「腹鳴」「膨満感」
水分の運化が悪くなると「浮腫」
その他内臓の下垂なども起きることがあります。
B.脾陽虚
文字通り脾の陽気が足りない状態で冷えがでている状態です。
症状は「脾気虚」の症状を伴い更に進行すると虚寒病証もみられるようになります。
「腹部の冷え」「四肢の冷え」などの症状が現れる。
これが「腎」の陽気を損なうくらい進行すると「五更泄瀉」(夜明け前の下痢)という状態がみられます。
主訴は腹痛、喜温喜按、寒気、冷えなど
C.脾陰虚
脾の陰分(血と津液)が不足して熱が出ている状態です。
主訴は食欲不振、食後の膨満感、無力感
D.脾胃湿熱
脾胃に湿が長く滞っていると熱に変化してしまいます。
その他に甘いものやお酒を摂りすぎると同じくこのような状態になりやすくなります。
主訴は腹部のつかえ、膨満感、隠痛、嘔吐、食欲不振など
E.脾胃の昇降失調
脾の機能「昇清」(上げる力)と胃の機能「降濁」(下げる力)が不調になるとバランスが崩れ「つかえ」が現れるようになります。
昇清が悪くなると下痢
降濁が悪くなると悪心、嘔吐、
主訴は心下痞、悪心、嘔吐、腹鳴です。
脾は分かり易く言えば胃と同義だと思っていただけると理解しやすいと思います。
おなかの調子が悪ければおなかも下しますし、食欲もなくなります。
嘔気や嘔吐も関連付けやすいかなと思います。
東医にしても西洋医学にしてもやはりおなかは大事な機能としてきたことがうかがえます。
気温の下がってきた昨今。「脾」を冷やしたりしないように気を付けてください!




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