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  • 執筆者の写真: 瑠璃鍼灸院
    瑠璃鍼灸院
  • 2021年8月28日
  • 読了時間: 3分

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五臓最後の臓腑は「腎」です。

解剖生理学での「腎臓」は、

老廃物の排出(尿による)

血圧の調整(塩分水分の排出コント―ロール)

造血の司令塔(エリスロポエチンの産生)

体液のイオンバランスの調整、骨の生産(活性型ビタミンDの生産)

等が主な役割となっています。


東洋医学のキーワードは

堅固、精を蔵す、作強の官、津液を主る、志にありては恐れをなす、相火

支配部位は

二陰、耳、骨、髪

味覚は

腎は鹹を欲す。


堅固:冬は陽気が内に閉じこもる季節で「成長化収蔵」の蔵の時期。冬はすべてのもが隠れ潜む時期。五行においては「水」冬に旺気し、陰気が旺盛で堅くなる。

精を蔵す:腎は生命の起源である先天の精を蔵し、中に「志」が舎っている。「志」は継続して行う力のこと。

腎虚体質の人は継続する力が少ないとされている。

作強の官:作強は力強い様のことをさす。腎は精を蔵し骨髄を生ずる。

腎の気が満ちていれば丈夫な骨格を作り精神面も安定する。肉体と精神が整っていれば何事にも瞬時に対応でき手際も良くなる。

津液をつかさどる:腎は水蔵。腎の精気は津液が漏れないように固める作用がある。

腎の精気が不足すると四肢が冷え、気が充満すると下痢となる。

志にありては恐:恐れ驚きやすいのは腎虚。恐れとは消極的な働き。腎は陰中の陰で腎精も津液も陰に属す。そのため活動的でないのが良い。

腎と相火:陰中の陰で活動的でないのがよいとされるがそれでは何もできない。なので心包の相火が降りてきて命門の陽気となって活動する。相火が心包から降りてくるのに津液が必要となる。


支配部位は

二陰:前陰と後陰のことで生殖器・尿道・肛門のことを指します。これらの機能と関係します。

耳:精気が十分であるなら五音を聞き分けることが可能。

骨:骨は津液によって固まっていると考えられています。腎の津液が不足すると骨がもろくなる

髪:腎精によって艶が保たれている。禿げるのは1.頭からの陽気の発散が旺盛2.加齢による腎虚の結果。の2パターンがある。

腎は鹹を欲す:鹹は「塩辛味」→和らげる効果がある。

津液と精気で固まっている腎は冷えやすくなっている。

そこで「塩辛味」の和らげる効果で津液が多くなり堅くなるのを防ごうとする。


このように解剖生理学の「腎臓」とよく似た部分もありながら「先天の精」など命の源に関係している臓腑である「腎」

治療でも体の水分の動きをよくするために腎経を利用したりもする重要な臓腑です。


東洋医学における五臓と解剖生理学における五臓

似ている部分もあれば全然異なる部分もあり、まさに似て非なるものであるということが分かっていただけたかと思います。

東西で違いがあるんだなぁということが何となく分かって頂けたら幸いです。

 
 
 

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