六腑
- 瑠璃鍼灸院

- 2022年8月20日
- 読了時間: 3分
五臓の臓は「肝・心・脾・肺・腎」で
色々な機能と役割があることを説明いたしました。
次に紹介するのは臓とは表裏関係にあるといわれている
六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)です。
腑は臓に比べると役割というよりも機能の方に重きが置かれていて比較的シンプルです。

①胆(⇔表裏関係で対応するのは肝)
1.ほかの臓腑の活動を監視している。また、大胆さや勇ましさも胆が主っています。
◎精神的ストレスに強くなる。
×大胆さや勇気が無くなり少しのことでビクビクしたり、ついつい溜息を吐いてしまいがちになります。
2.肝の余った気は胆に集まって胆汁となります。その胆汁は脾胃の消化を助けます。
※生理学上の胆汁:胆汁は脂肪(しぼう)を消化するために必要な液体で、肝臓で1日に1リットルほど作られています。胆汁の成分は、ビリルビリンという黄色っぽい色素、コレステロール、胆汁酸塩などですが、およそ90パーセントは水分です。胆のうに溜(た)められている間に水分が吸いとられ、5〜10倍に濃縮されます。
参照:中外製薬 からだとくすりのはなし
×消化できなかった飲食物が逆流し口に何もないのに苦味を感じたり、嘔吐してしまったりする。
3.腑に共通した性質(精や気血を貯蔵しない)というものに「肝の余った気を貯蔵」するという働きが反していてさらに、飲食物の運搬・伝化・排出に関与するというほかの腑にはある性質がないのでこのようにも呼ばれています。
②胃(⇔脾)
飲食物を消化吸収し、気を全身に送り出す。
×消化吸収がうまくいかず上腹部痛やゲップ・呑酸・胸やけ・吃逆(しゃっくり)などが出やすくなります。
③小腸(⇔心)
胃から送られた飲食物のカスを水分と固形分にわけます。
※生理学上の小腸:小腸〈空腸(くうちょう)・回腸(かいちょう)〉は、胃や十二指腸で消化された食べ物をさらに分解し、栄養素を吸収するはたらきをしています。十二指腸も小腸の一部ですが、一般的に小腸とは空腸・回腸のことをいいます。
参照:中外製薬 からだとくすりのはなし
④大腸(⇔肺)
小腸でわけられたもののうち固形分を受け取り肛門へと送り出します。
×不調だとうまく送り出せなかったり便への転化がうまくいかず腹鳴や下痢・便秘などになりがちになります。
⑤膀胱(⇔腎)
小腸で分けられたもののうち水分を受け取り尿として排出します。
×不調だと排出がうまくいかなかったり尿をためる働きに現れ、下腹の腫れや痛み、尿が出ない、または漏れそうになる。などの症状が出るようになります。
⑥三焦(⇔心包)
これは特定の器官を指したものではなく機能や仕組みの総称として用いられています。
具体的には
飲食物の消化吸収⇒そこから気血津液を取り出す⇒取り出した気血津液を全身へ⇒水分の代謝を円滑に行わせる
この一連の働きを指し、大まかにいうと「体温調節」「気血津液の調整」「輸寫機能(輸送)」となります。
更に、上焦(横隔膜から上の部分)・中焦(横隔膜から臍)・下焦(臍より下)に分けられさらに細かく役割が振り分けられています。
臓とは違って機能的な面が強いですがそれは表裏関係にある臓の働きをサポートする使命もあるためです。
治療の時も「臓」を補うために「腑」に関連する経絡を使ったりすることも多々あります。
そんな理論で治療を行う鍼灸。面白い!試してみたい!と思った方はお気軽にご連絡、ご予約下さい。お待ちしております。




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