肝の病症
- 瑠璃鍼灸院

- 2022年11月5日
- 読了時間: 2分
お次は「肝」です。

肝の主な生理機能は「疏泄を主る」「蔵血を主る」
疏泄は体の内部の色々な流れだと考えてください。
蔵血は血をしまい込むことで、寝ているときは体の血は肝にしまわれ
七情は「怒」なので
「怒」の感情が過多になると体の流れや血をしまいこむ能力が低下してしまします。

A.肝気の鬱滞
疏泄機能が低下し「気の渋滞」が起きているために現れる病証でストレスや気分が滅入っているときに起こりやすいものです。
症状は精神抑うつ、胸悶、胸脇苦満、月経異常
のどに気が停滞するとのどの閉塞感(梅核気)
B.肝火の亢進
Aが進行した結果が肝火の亢進といわれるものです。
その他にも刺激物の過剰摂取でもよく起こります。
症状は頭痛、目の充血、いらいら、怒りっぽい、耳鳴り、口の中が苦く感じる(口苦)
C.肝陰虚
肝に陰分が不足したことで虚熱が起きた状態です。
腎の陰分不足や熱、温熱病などが原因と言われます。
症状は目の乾燥や異物感、脇痛、手足の引きつり
五心煩熱(左右の手足と胸部に煩わしい熱がある状態)寝汗
のどの渇き、耳鳴り、めまい
D.肝陽の亢進
陰虚陽亢とも。肝鬱や肝火から進行すると現れます。
肝と腎がともに陰虚状態になると相対的に肝腎の陽分が亢進するため起こります。
症状はめまい、頭痛、耳鳴り、目の充血、いらいら、怒りっぽい
膝や腰が怠く力が入らない
E.肝血虚
全身的な血虚つまり血の生成不足、過度な出血、慢性病による肝血の消耗
肝の蔵血作用が低下し
症状は目の渇き、目のカスミ、脇部の隠痛、顔が黄色っぽくなる
めまい、不眠、多夢、四肢の震え、筋の引きつり、拘急
F.肝風
肝腎の陰虚、穴の不足による筋肉の栄養不足
症状は震え、ふらつき、めまい、痙攣
悪化すると半身不随なども。




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