東洋医学における「肝」
- 瑠璃鍼灸院

- 2021年7月24日
- 読了時間: 2分

大々的にスポーツ大会が始まっておりますが
それはさておき…
今回は「肝」です。
生理学での働きは:胆汁を作る・栄養素を貯蔵、変化・毒素の中和などですが
東洋医学での「肝」は:発陳・血を蔵す・魂を舎す・竅を目に開し・筋を生ず・華は爪にあり・酸を欲す。
生理学と比べてみてもだいぶ特殊な肝の働きがわかるかと思います。
そして肝の性質です
1、発陳:古いものを発散させる力がある。季節なら「春」1日なら「朝」
五行においては「木」。春に旺気し精気には上昇・発散する働きがある。
2、血を蔵する。:血は肝に貯蔵され、心の働きで経脈を流れていく。肝に血が十分にある
と「発陳」の力が上昇し各組織が正常に働く。
3,将軍の官:五臓を擬人化?させ役割を端的に表すと「将軍」となる。
謀慮はここから生じる、つまり集中力の源があると考えられている。
肝が弱くなると集中力が低下しイライラしてしまう。
4、魂を舎す:「魂」は肝の積極的な性質のこと。
肝が弱くなると魂にも影響が出て狂忘・難聴・頬の腫れ・恐れやすい・
睡眠障害などの訴えが現れる。
お次は肝の支配部位(肝の影響がすぐに表れるところ)
1、目:「肝気は目に通じ、肝和すれば則ち目能く五色を弁す」
視神経や網膜、角膜などを支配しているので視覚に関する部分に影響が出やすく
白内障や角膜炎などは肝兪、肝経にが反応やすい。
2,筋:「肝は筋を生ず」
肝は血によって筋、筋膜を栄養している。
肝の血が不足すると引きつりや緩みが生ずる。
3,爪:「その華は爪に生ず」
肝の血が不足すると、爪が薄くなったり割れたりする。
4、酸味:「肝は酸を欲す」
酸味は収斂作用(集め、引き締めること)がある酸を欲する。
肝は血を全身に発散させていると同時に血を補充しないと発散もできない
そのため収斂作用のある酸味が必要となっている。
これらの性質を患者さんの症状に合わせて病因や治療に使う経絡・経穴を決めていきます。
「最近、仕事のストレスでイライラすることが多く、頭痛や耳鳴りがする。睡眠状態も良くない。のどもなんだか閉塞感がある。」
これは東洋医学的に見ていくと
肝に異常があるのではないかなぁと考えつくことになります。
そのあとに脈を診させてもらったり、舌診・腹診などでさらにどんな状態か把握し、
治療していく…
こんな流れが東洋医学的な治療というやつです。
ご興味やお悩み等々あればご相談ください!
お待ちしております。




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