東洋医学における「脾」
- 瑠璃鍼灸院

- 2021年8月14日
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今回は五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中の「脾」です。
解剖学でいうと脾=脾臓でしょうか。
脾臓は左の脇腹付近にある造血・リンパ器官です。
乳幼児のころは血球を産生し、また古くなった血球の破壊も行っています。
そしてリンパ球の産生、血液中の異物の処理なども行います。
東洋医学の脾の性質はどちらかというと胃の働きを表現しているようなところがあり、
胃と脾は陰陽一体と表現されています。
それでは脾の性質から。
キーワード:土用・至陰・意を舎す・気血津液と関係する・口唇に通じ・肌肉を主る・四肢も水穀の気と稟くるを得ず・甘を欲す・大蔵大臣
土用:脾は土用の時期に活発に働きます。「土用のうなぎ」で夏の土用は有名ですがそれぞれの季節に土用という時期は存在し、四立(立春・立夏・立秋・立冬)の直前の約18日間を指します。春夏秋冬に対応し臓腑も(肝心肺腎)活発になります。このように活発に働くことができるのは脾気が各臓腑に対して気を分配しているからです。
至陰:陰の中心という意味で脾以外の各臓腑は陰と陽の性質を併せ持ちますが、脾は陰の働きである「胃に津液を送る」役割をしている。逆に胃は「水穀を消化し気を生み出す」という用の働きを担っている。なので至陰、陰の中心と呼ばれています。
意を舎す:脾の精気は「意」と呼ばれ思い考えること、何かを作り出す力を指します。
気血津液に関係する:脾胃でつくられた後天の精は脾の精気によって肺を巡ったのちに全身に広がる。※¹
経脈内の血を漏らさずにスムーズに移動させることができる。※³
水穀は脾の働きによって津液を臓腑と各細胞へ巡らせる※²
と、脾の精気は大変働き者です。この働きを運化¹・昇精²・統血³といいます。
支配部位は脾の精気が虚すると色々と変化が表れてしまします。
口唇:唇の色や形、ツヤに変化があらわれます。
肌肉:これはいわゆる筋肉。肌肉は締りがなくなり軟弱なものになる。
四肢:倦怠感が現れる。
甘味は脾を滋養して気を補う。
苦味は引き締める効果がありましたが、甘みは逆に緩める作用があります。
緩める作用で緊張を解いたりすることができます。
脾は体の中心を担い気血津液を体中に巡らせる
心は生命その元して重要でしたが脾は生命活動を行う上でも重要なものであるといえます。
食欲も暑さで低下してしまいがちな夏ではありますが
しっかり食べて栄養を体中に巡らせることのできるように脾の精気を充実させていきましょう。




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